塩野七生「男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章」(感想)

イタリア、古代ローマ系の歴史小説(史実的小説と表現したらいいのかしら)と言えば、塩野七生さん。

逆光のメディチで有名な藤本ひとみさんも好きですが、塩野七生さんのサッパリした文章と「目のつけどころ」が圧倒的に好きですね!




古代ローマ史といえば、歴史小説家の塩野七生さん

そう、塩野七生さんって、いわゆる「オタク」なのではないかと思うのです。
「気になったの、そこなんだ!」という面白さがあります。

塩野七生=ユリウス・カエサル読みを定着させた人ですね。「終わりの始まり」という言葉も塩野さん発なのでは。

塩野七生さんの文章はどこかカラリとしていて、湿度を感じさせません。そのためでしょうか、古代ローマシリーズのような長編でも「途中でウンザリしちゃった」ということがないのですよね。

小説家の文章は個性が現れる?

大変に個人的な感覚ですが、私は渡辺淳一さんの文章になんとなく、こう……未練や執着心を感じさせる演歌のような雰囲気を感じるのですね。

五木寛之さんはちょっと不思議で、陰だけれども湿っていないし粘り気も感じさせない文章だと思います。秋の夕刻といった空気感。

「遠藤周作は暗くて陰気で苦手」という人がいますが、私はそうは思わないのですよねぇ。教会に小さく灯る蝋燭の明りのような、寄り添うような小さな明りを感じます。

そんな観点から見ますと、塩野さんの文章は【乾・陽】で良いでしょう。イタリアの青い空、まっすぐ降り注ぐ日差し、乾燥した空気の地中海性気候。1970年からイタリアに住み、ローマ名誉市民を授与されるなど、イタリアにとても縁が深い塩野さんらしい文章なのかもしれません。

「思考や性格が文章を作る」そして、「文章が思考や性格を育てる」ということを、小説家の文章から見ていくのはなかなか興味深いです。

塩野七生さんはエッセイもおもしろい!

塩野さんは気軽に読めて楽しいエッセイも書いています。

インテリ女性によくある、偉そうなアドバイス本ではないので、「余計なお世話だわ、フン」というような感情も湧きません(笑

◆男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)

ちなみに、「終わりの始まり」というフレーズを流行らせたのはこれ↓だと思います。
ローマ人の物語シリーズはハマりましたねぇ
◆ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり

日本における名キャッチコピー、名フレーズの女神は、松任谷由美さんと塩野七生さんではないかと、私は思っています。

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