これは私の実体験です。
代表的なすり替えは、「虐待されていた過去を乗り越えた“強い私”にすり替えた」というもの。
現在進行中の痛みだったのに、知らないふりをしました。その時は、心に痛み止めを打ってどうにか進むしかなかったのだと思います。
「本当はきちんと向き合わないとダメなんだろうなぁ」と心の奥でうすうす解っていること……親との関係、夫婦の問題、お金のこと、仕事、転職、恋人、友だち、自分自身……などなど、それらとガッツリ向き合って取り組んでいくのって、なかなかしんどいです。
自分の意志でどうにかなることばかりじゃないですものね。
そんな時に出てくるのが、誰かや何かのせいにして精神的にラクになりたい心理です。
そう……あの勇敢なパズー(天空の城ラピュタの男の子のほうの主人公)でさえも、いったんは陥った心理なのです!
「問題をすり替える」
人は、不安を直視せずに「問題をすり替える」ことでストレスを減らそうとする心理が働くことがあります。
心の奥底では「このことについて、しっかり取り組まないと!」と解っていても、不安が大きすぎたり、ハードルが高すぎるように感じて、そこから退避するのです。
逃げることも正当な手段であり、大事な自衛本能です。が、ずーっとは逃げていられません。そこで、ここに葛藤が生まれます。
「だって、親がこうしなさいって言ったから」
「だって、みんながこうしているから」
「シータがそうしろって言ったんだ!」
このように、誰かのせいにして精神的にラクになろうと試みます。
パズーも、自分一人の力ではムスカに勝てっこないと心が折れていました。
お父さんの無念を晴らしたい気持ちや長年憧れ続けてきたラピュタへの思い……それらの諦めきれない気持ちを、「だって、シータがそうしろって言ったから」(金貨を握らされて帰宅し、ドーラに捕まる)などと、パズーらしからぬ弱気発言をします。人や環境のせいにして誤魔化し、精神的にラクになろうとしたのです。
すみません、なんのことを言っているのがさっぱりわからないという方はぜひ「天空の城ラピュタ」のDVDをご覧になってください。めちゃくちゃ面白いので。
しかし、やがては根本的な問題と対峙しなければならない時が来るものです。(私の場合、たいてい強制的に取り組まされる)
できることは必ずある!やれることのハードルを下げる
もし、ある日「このままで良いのかな……」と思ったら、それは行動を起こす絶好のチャンスなんじゃないかと思うんです。
●書籍の著者や専門家がブログを書いていたらメールをしたためてみる(要するに詳しい人に聞く)
●諦めかけているあの夢をかなえることについて、誰よりも詳しくなってやろう的な気合で徹底的に具体的に調べる
……など、できる範囲で行動を起こしてみたら何かしら次につながる、かもしれない。
「時間がない」「資本金がない」「体力がない」などが立ちはだかりますが、人生は、『何を選ぶのか、そして、何を選ばないのか』を決定していくことの連続なんですよね。
なにかしらできることは必ずあると信じて、やれることのハードルを下げるところからやっていくしかないわけです。