奈良市を流れる佐保川(さほがわ)。一見はなんてことない小さな川ですが、万葉集によく詠まれた趣深い川です。川沿いに5キロメートルほど続く桜並木は、桜の名所として地元の方に愛されています。
シルクロードの終着点と言われた平城京が栄えていた千年以上前、やんごとないお方や市井の人々がこの川面を眺めながら歌を詠んだのだなぁ……と思いながら、桜の花びらのなかを散歩するのもいいものです。
しかし、同時に思うのが貧困に喘ぐ歌。高貴な方たちの雅でキラキラした歌だけでなく、一般人のぎゅうっと胸が締めつけられるような歌をも集めた万葉集。
歌を愛するということは感性や情を掬い上げることですから、喜怒哀楽すべての歌を立場や肩書きなど関係なく掬い上げたのでしょう。
満開も、散る桜吹雪も、川面を染める桜も美しい佐保川
満開の桜はもちろん美しく素晴らしいのですが、散りかけの頃に桜吹雪のなかを歩くのもまた圧巻の美です。儚さを感じさせながら力強い生命の輪廻が心を掴んで離しません。
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万葉集にも詠われる、史跡のあいだを静かに流れる川
佐保川は小さな川ですが奈良市の歴史と深く関わる川で万葉集にも多く登場します。佐保川の少し西には平城宮跡があり、東には興福寺・東大寺・春日大社があります。
1300年前の昔には、日本の首都として、またシルクロードの終着点として栄えました。
こちらのサイト↓には佐保川を詠んだ歌とその訳があります。
ちなみに、佐保川で桜を見るなら図書情報館の辺りが人気スポットです。図書情報館から少し北へ歩くと河川敷が整備されており、憩いの場となっています。
佐保川周辺情報/駐車場/図書情報館
佐保川のお花見専用のパーキングや駐車場はありません。
住宅街ですので、アイドリングや路上駐車はもちろん、騒音などにくれぐれもご注意ください。
ゴミの持ち帰りや歩行者・自転車の方への配慮も忘れずに、みんなが気持ちよく桜を愛でられるようにしましょう。
図書情報館の駐車場やトイレが利用できます。
図書情報館の厚意なのだと思いますが、お花見の駐車は禁じられていません。節度をもって利用したいですね。
桜の時期は大変混雑しますのでホームページで駐車場の利用についてよく確認なさってください。
■図書情報館公式サイト(アクセス)
■図書情報館公式サイト(過去のお知らせより)2018-03-22 佐保川堤の桜の開花に伴う臨時開館について
ところで、この図書情報館ですがなかなかに充実している図書館なんです。パソコン周辺設備はかなり整っていますし、ちょっとしたカフェも併設されています。
追記
この花の名前をご存知の方いらしたら教えてくださいませ。藍色の小さな花がとても可愛らしくて、鈴の音が聞こえてきそうです。
【追記の追記】
花の名前をメッセージで教えてもらいました!
「ムスカリ」と言うのだそうです。
名前がわかると、ぐっと親しみが湧くものですね。
ありがとうございました。