刃物とお金は目に付くところに置いておくな。
あれば使うのが人間だから。
これは、高校生の時に母に言われた言葉です。母は祖父から言われたそうです。
「そうだな……。追い詰められたら使ってしまうかもしれない」と思った人は、使わないで済むように自制心も働くでしょうし、隠す工夫もする御方でしょう。
『デスノート』という漫画を読んでいた方、また映画のほうを観た方も多いと思います。
デスノートとは、死神のノート。名前を書き込まれた人は死んでしまうのです。そして、書き込んだ人は……。
もしデスノートが手元にあったら、使わない自信はまるでないです。
そういえば、ドラえもんにも似た話しがありましたね~。『どくさいスイッチ』という未来道具で、独裁者として抹消したい人物をその言葉どおり「消す」のです。
のび太くんは、怒りの衝動に駆られて使ってしまいます。
のび太くんだから使ってしまった、というよりも、そこにあれば使ってしまうのが人間というものです。
人間を、過大評価するのでもなく、過小評価するのでもなく、弱いだとか強いだとかのラベルを貼るのでもなく、ただ、「それが人間というものだから」と認識しておくことが、結局は自分の身を守ることになるのでしょうね。
相手を疑え、という意味ではなく。
かといって、信用や信頼という次元でもなく。
『どんなに意志の強い人でも、絶対ということはないのが人間だ』
そういう意味なんでしょう。