『ありのままの自分』って、どんな自分なんだろう?
ありのままの自分を受け入れてもらえていないような気がする。
ありのままの自分は嫌われている……。
ありのままの自分にネガティブな印象を抱いている方は、『ありのまま』と『そのまま』が混乱しているのかもしれません。
ヒーラーの友人がこんなことを言っていました。
ありのままの、等身大の『自分』を受け入れる行為は愛や慈しみを伴います。
現時点の自分の人生と、これまで歩んできた道のりを慈しむことだからです。
「そのままの自分で良い」は、ただの開き直りです。
ここで、ディズニーのアニメ映画「アナと雪の女王」で例えてみたいと思います。
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目次
そのままの自分とは―アナと雪の女王より―
冷気(雪や氷)を操る能力者、エルサ女王。ある事故から、「自分の力は人を傷つけてしまう」と強い恐れを抱くようになります。
自分の能力を封印し否定し続けましたが、とうとう不安が決壊し雪や氷を操る力が暴走してしまいました。
「私にはどうしようもできない!」と、さらに心を閉ざし山奥に引き籠ります。
これが、「そのまま」です。
「自分の力のせいで大切な人を傷つけた。もう誰も傷つけたくない」という抑圧、孤独、自己否定が愛を凍らせ、力を暴走させていたのです。
ありのままの自分とは―アナと雪の女王より―
ところが、妹のアナが命を賭けて見せた真の愛に触れたことで、エルサ女王のなかにある「愛」が覚醒します。
長年にわたって否定し続けていた自分が、「じつは受け入れられていたのだ!」と知ったのです。
ずっと心を閉ざし孤独を選択していたエルサ女王でしたが、本当は愛し愛されたかったのです。
自分のなかにも愛がちゃんとあったことを思い出したエルサ女王は、力をコントロールできることをも思い出しました。
これが「ありのまま」です。
「ありのまま」には、生きている喜び・感謝・愛を伴う
『ありのままの自分』を受け入れた先にあるのは生きている喜び、感謝、愛、調和です。
ここには自己否定も、歪んだ自己愛もありません。
欠乏感ではなく、満ち足りた思いと感謝を感じるようになります。
強い自己愛自己愛が強いと、自分の欠乏感を埋めることに夢中になります。
いつも飢えているので他者からエネルギーを奪おうとしたり、セルフイメージが肥大化したり、空っぽの自分に気づかないようにしたりと慌ただしく揺れ動きます。
私感ですが、自己愛性パーソナリティ障害は欠乏感を優越感で埋めるために、結果的に他者のエネルギーを奪うのではないかと思っています。
愛は、どこかに「在る」モノではなく、誰かにもらうものでもありません。探すものではないのです。
愛はあなたの魂の「働き」そのものだからです。
自己分析と自分を客観視する難しさ
自己分析、自己の客観視というのはとても難しいものです。
ありのままの自分とはなんだ?と、迷宮を彷徨ったことがある方も多いでしょう。
知人Aは、職場での人間関係について深刻に悩んでいました。
自分はアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)なのではないか?病院に行って診断してもらうべきだろうか?
しかし、その後すぐに転職した職場が肌に合い、「過ごしやすさ」が格段に上がったために病院には行きませんでした。
環境さえ良ければそれで円満なのですから、実際的な悩みは解決したのです。
知人Bも職場の人間関係でとても苦しみました。
あまりにも対人関係の失敗が重なるので、ある時、意を決して病院へ行きました。診断結果は発達障害。
「ショックと、なんとなく楽になった気持ちが半分半分かな」
知人Bはたいへんな努力家で、アドラー心理学を勉強しています。
ここ数年、アスペルガーという言葉が浸透したために、生きにくさやコミュニケーションの失敗を重ねると「私はもしかしてアスペルガーなのかも?」と思う方が増えたようです。
職場環境、社風、勤務体系などは、個人の力で変えることは大変難しく、逃げ場もありません。
アスペルガー症候群や発達症云々関係なく、あまりも合わない会社やあまりにも合わない人と一緒に働くことは非常に強いストレスになります。
私の夫も、上司の執拗なモラハラで布団から出られなくなったことがありますし、私自身も虐めやモラハラでうつ状態になったことがあります。
「自分は対人面の失敗が多すぎるようだ」と思ったら、どういう時に失敗しているのか?に注目してみましょう。
✅何かを注意された時に、反射的に言い返したり過剰に反応していないか?
✅人格否定をされたように感じているか?
このような傾向が強い(劣等感)のであれば、知人Bのようにアドラー心理学を勉強するのもいいと思います。
ゲシュタルトセラピーなどのセラピーを受けてみるのもひとつの方法ですし、アサーションという自分の意見や感情を表明するスキルを身につけることも役に立つでしょう。
ゲシュタルトセラピーについては、田房 永子さんの漫画がとてもわかりやすいです。
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自分を責めたり審判を下すのではなく、「自分はどんな状況のときに、どんな言動を取っているかな?」と、雲の上から眺めるのです。
関連記事⇒「自分を知ろう」「己を知れ」と簡単に言うけど、具体的にどうやったら知ることができるの?
健全な自己愛とは?パーソナリティ障害の根底は同じなのではないか?
ありのままの自分を知ることはとても難しいものですが、自己に関わる認知が特に難しいケースにパーソナリティ障害が上げられるのではないでしょうか。
●自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)
●境界性パーソナリティ障害
●回避性パーソナリティ障害
※それぞれのパーソナリティ障害の説明はしません。調べる方は必ず複数のサイト、できれば5つくらいはご覧になってみてください。書籍についても同じで、複数の本を読み比べてください。
あるサイトの記事で「自己愛性パーソナリティ障害と回避性パーソナリティ障害が逆のベクトルに位置している」というような記述を見かけました。
私の個人的な私感ですが、パーソナリティ障害の根底は同じなのではないか?回避性パーソナリティ障害も、(不健全な)自己愛あってこその反応なのでは?と考えています。
ですから、ちょっと引っかかっていたのです。
そんなふうに思っていたところに、下記を読みまして、私としては同感した次第です。
ありのままの自分を知ろうとするのは、ありのままの自分を受け入れることです。
『健全な自己愛』は、他者から愛を奪ったり搾取したりしません。
自己愛を満たすために、他者をこきおろしたり利用したりしません。
感謝を強く広く要求したり、自分の労力を強くアピールしません。
家庭環境は決め手にならない
誰でも、等身大の自分を認めるのは困難です。
理想の自分と現実の自分のギャップに苦しむこともあります。
そういう時期は誰にでもあるもので、一種の成長痛のようなものなのかもしれません。
不健全な自己愛を語るときに必ずと言って良いほど「幼少期の家庭環境」に触れますが、(あくまでも私個人の考えですが)幼少期の虐待などによる自己愛(自己肯定)を損傷させられたインナーチャイルド(アダルトチルドレン)と、自己愛性パーソナリティ障害は違うものと考えています。
幼少期から青年期の環境に恵まれなかったとしても、健全な自己愛を育むことは可能だと思いますし、幼少期から青年期の環境にとても恵まれていても、自己愛が歪んでしまうことはあるでしょう。
人は、性格や特質と環境などの多方面から成り、本人の気づき(何を受け入れるか・何を選ぶか)によって大きく変わるからです。
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